幌尻岳





      登頂日 2011年7月8日 天気 雨
       登頂者 ツカダ、 タウラ、 まこと

        幌尻岳に登るに約2時間の林道歩きと約2時間の沢の渡渉があり、雨が降ると岩山のカール状に
        なった山肌は一気に雨が沢に流れ出る地形になっている。

        昨年までゲート前迄一般車の乗り入れが許可されていたが、今年7月1日からさらに手前にゲート
        が設置され、一般車の乗り入れ規制がされ代りにシャトルバスが運行されることになった。


     幌尻岳登頂が難しい要素が重なる
        沢の状況に加えてシャトルバスが午前2便、午後1便の時間運行となり沢の渡渉を終えた所にある
        幌尻山荘も空きがない程の混みようで、一層幌尻岳登山がやり難くなった。

        百名山を目指し幌尻岳で95座目となるツカダさんと99座目となるタウラさんに同行し3人で幌尻岳
        を目指したが、全国から百名山を目指すハイカーは今年も増えても減ることがないようである。

                新潟港発23時30分、苫小牧港着翌日の17時30分着のフェリーに乗る。

  
                



       苫小牧港に着くと途中コンビニに寄り二風谷ファミリーランドのキャンプ場を目指した。

       何とか暗くならないうちにテントを張り終え、翌日は2時に起きて3時の登山口までのシャトルバスに
       乗るに朝の食事と幌尻岳に登るお昼を用意しながら夕食の仕度をする。

       日頃家でやった事のない作業を終えて夜8時頃の夕食となったが明日早朝の出発に備える。


     シャトルバス午前3時発の1便に乗車
        北海道もぐずついた天気が続き心配したシャトルバスの第1便の運航は昨晩7時に決定された。
        出発場所の「とよぬか山荘」に3時前に着く。

        第1便には10名の登山者が乗車し、約1時間の所要時間で登山口に向かう。
                                               (費用は往復で一人3500円)
        シャトルバスは第1ゲート迄入ってくれると思ったが、第2ゲート迄であった。


       


          登山口に着いて10人の人達はそれぞれ仕度をし直して林道終点の北電の取水口、
          そして渡渉をして幌尻山荘へと向かい、私らは、第2ゲートから取水口に6時に到着
          (所要時間1時間50分)し、渡渉前に朝食とする。


       
  

      いよいよ渡渉に入る
         約20分の朝食休憩を取りいよいよ渡渉となる山道へと入る。
         私等3人の渡渉スタイルは少々違うが、滑らない靴と水抵抗を少なくするスタイルで、
         雪解けの沢水と気温も低い事も考慮に入れての身支度が必要である。

         私は、水抵抗を少なく保温をも考えてタイツを着用し、下履きは林道歩きも含めて滑らない
         スニーカーとした。

         天気予報は、午前中は曇りの予報。


       
  

          沢の深さは昨年の大水で水路も変化し深い所があるので気を付けてとの情報であり、
          沢に差し掛かるとやはり水嵩は多く緊張しての渡渉開始となる。


       

   
          一度経験をしているとしても安易さは払い抜け、渡渉を繰り返し対岸の位置確認しながら
          出来るだけ流れが緩くて浅瀬を探しながら進む。


      
 

          少し身長の低いツカダさんは、尻近くまで水に浸かる所もあり後ろのタウラさんと
          注意を払いながら渡渉を繰り返す。


      
 
 
               途中雨が降り出し体の冷えを抑えるため合羽を着用して渡渉を続ける。
               強い雨ではないので一気の増水は無いと判断して渡渉を続け約2時間を要して
               8時20分幌尻山荘に到着した。


                   



           幌尻岳山頂を目指して

            山荘には予約をしていたので到着を報告し、沢渡から登山姿に着替えをする。
            水と雨に濡れたが、私はズボンと靴を履き替え生憎小雨であるが9時に山荘を出発する。



      


            いきなり急騰が始まるが、ゆっくり登らないと林道歩きと沢の渡渉で疲れた体は後半堪え
            るのでペース配分を心して休憩を入れながら登る。

            命の水まで10時30分に到着、1時間半の所要時間であり順調過ぎるくらいである。


       命の水から幌尻岳は後半の登りとなる
     
           命の水で休憩をし、水を汲みにと沢方向に歩くと残雪が詰まり水場はかなり下で行けない。
           先回は降りられたのだから残雪が今年は多く、特に補給が必要でなく危険なので断念する。


      


            5〜6分程休んでまだ急騰が続く幌尻岳を目指して登る。
            花が所々に咲いて足を止めながら頂上を目指す。
            残念ながら小雨でレンズに水滴がついたりくもったりで思うように花も撮る事が出来ない。

            急騰を終えたら雪渓が出て来た。ようやく急騰の尾根歩きから稜線歩きとなり雪が消えた
            ばかりの所にシャクナゲ、ハクサンチドリ、チングルマ等々沢山の花が咲いていた。


  


      



         朝6時の朝食で腹も空いてきたので昨晩つくった昼食とするが、雨は止みそうになく風も強いので
         風を避けてお昼を取る事にする。

         頂上付近は残雪も多いので、花も見頃だが、カメラも水滴に濡れてしまい、山荘に着いたら動かなく
         なり、予備のカメラも動かなくなったが、幸いにも予備のカメラは回復した。



      




      12時55分風雨の頂上に立つ


         稜線に出て高度も上がってきたので汗で濡れた体が冷えて来たのでフリースを出して合羽の下
         に重ね着をする。

         このような気象条件になると、2年前トムラウシ山で強風と雨と疲れで低体温症に陥り死に至った
         遭難事故が脳裏をかすめその対応と判断の必要を何時も感じる。

         食事と終えてアップダウンの稜線歩きだがガスの中、先に見えるピークが頂上かと思う事何回か
         繰り返し12時55分、幌尻山荘から3時間55分で幌尻岳山頂に到着。

         沢歩き始め諸条件を乗り越え日本百名山の中で登頂困難な山・幌尻岳の登頂を果たした。


  



        頂上はガスと風で見透しはゼロであり、頂上に滞在する事5分、記念写真を撮って13時に下山する。


               



         下山は何処の山でもそうだが、時間の割に長く感じしかもこんな急登を登ったのかと思いながらの
         下山である。

         小雨は止むことなく登山道から雨水が流れるのを見ながらこの雨水が沢に流れることを考えると沢
         の水量はどんなになるのだろうかと不安をよぎらせながら15時43分幌尻山荘に着いた。



              



        小屋に着いてザックを置く納戸で着替えを済ませ夕食をつくりながら3人で乾杯をして団欒をする。
        シャトルバス1便に乗車した人は全員小屋に着き、2便の人は一人増水した沢を何回か流されそう
        になり全身沢水に濡れて小屋に到着したと話された。

        3便の4人は暗くなる前の7時頃、小屋に到着をする。
        ザイルを持参しての増水した渡渉なのでそれなりの経験者なのだろうと思った。



      7月9日(土)曇後晴

       沢は増水で一時待機して沢下りを決行!

        私等は2便の予定を早めて1便に乗る事にしたが朝4時に目を覚まして沢の水量を見ると濁流と
        化していた。

        小屋の管理人は見合わせた方がよいと言うので誰も小屋を出発しなかった。
        時々沢の水量を眺めるが減りそうにない。

        今朝方それなりの雨が降ったようだし、昨日小雨が降り続いていた事を考えると一気に減る事は
        ありそうもない。

        覚悟して時間の過ぎるのを小屋を出たり入ったりしたりして過ごす。

        際立って水の減りは見えないが、透明度は良くなって来たので、2便に乗る事にして管理人に気
        を付けて下るのでと話をして仕度をする。

        タウラさんが用意したザイルを出して貰い、万が一に備えながら沢下りの渡渉を開始する。

        私等の後にもう一人の若い人も出発準備をしていたが、他の人は様子見で待機していた。
        今日は幸いにも天気は回復基調なので水量は減っても増える事はない。

        帰りも慎重に出来るだけ浅瀬を見極めながら渡渉を繰り返していると、女性がひとりおっかなびっ
        くりの様子で金剛棒を頼りに渡渉して来た。

        「大丈夫でしょうか?」との問いに、既に半分は渡渉を終えているので、「その金剛棒を頼りにしっ
        かり沢を歩けば」とアドバイスをして分かれ私等も無事取水口に到着した。



            



        取水口で休憩を取り、林道を歩きシャトルバスの発着所の第2ゲートを目指した。

        青空がだんだんと広がり、暑さを感じながら林道を歩きシャトルバスに乗って「とよぬか山荘」に
        到着し幌尻岳登山を終えた。


        タウラさんは、この後は百名山達成の羊蹄山に登る予定としていたが、奥さんも羊蹄山を登れば
        完登となるという話を聞き、明日の天気は良くないので今回はパスをして是非奥さんと二人で百
        名山達成の感動を共にして欲しい進言をする。

        タウラさんは、電話で幌尻岳の登頂を無事終えた事を奥さんに報告し、同時に羊蹄山に登らない
        で帰り次の機会に一緒に登る事にする。(翌日は雨だったので判断は正解か)

        私等は、次の利尻岳なので出来るだけ近い所までと考え、予め連絡をしていた娘の住む枝幸町
        に向かって車を走らせた。

        思ったより早く枝幸町に入れたので娘の職場である「展望閣」に立ち寄りアイスコーヒーを出して
        貰い枝幸町を一望しながら一息入れる。



                         

               

        

          6時30分を過ぎたので今日の宿となる鷲見宅に着く、旦那は私等を快く迎えてくれて
          夕食には今日水揚げしたホタテの刺身や毛蟹にツブ等海産物をご馳走してくれた。

          一年振りに見る孫たちは身長も伸びて成長著しくまた夏休みに出かけて来た時は、
          海や山に一緒に遊ぶことを楽しみに翌朝8時に鷲見宅を出発した。



         これから幌尻岳は新冠コースがメーンになるか!

           幌尻岳頂上手前に新冠と振内コースの分岐がある。


              

 

           新冠コースは長い林道歩きで敬遠されてきたが、ゲートが一部解放され、最後のゲート
           から2時間歩いて山小屋に着けると言う話を帰りの船でこのコースを登って来た人から
           話を聞く事が出来た。

           振内コースも林道歩きが2時間で、渡渉の2時間が無いことを考えると、新冠コースが
           断然に安全で登り安くなるので、これからこのコースがメーンとなると思う。
           ただ、熊の出没が要注意である。





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